横浜市仏教会は、横浜市内の伝統仏教寺院により構成される組織です。
明治38年4月、横浜の有志寺院が一丸となり、日露戦争で殉死された兵士をご供養したことがきっかけとなり「横浜仏教各宗連盟」として発足しました。 その後、所属寺院も増え、昭和13年10月には「神奈川県仏教会横浜支部」として活動を続けました。
戦時中は一時活動を停止しておりましたが、昭和23年、仏教会は「横浜市仏教連合会」として再組織をし、さらに令和2年に「横浜市仏教会」に名称変更いたしました。(所属寺院 420か寺)
横浜市仏教会の来歴
横浜市仏教連合会の前身は、明治38年に横浜市63ヶ寺によって結成された「横浜仏教各宗同盟」に由来する。初代会長は、常清寺・伊奈日要師、明治39年には妙光寺・加藤日凝師、明治43年には増徳院・荒井興厳師、大正11年には天池庵・石井雪岑師、大正13年には西教寺の伊藤大忍師、翌14年には慈眼院・宮下舜達師らが歴任された(途中、再任を含む)。
昭和2年に区政が施行され、当初の区は、中区・神奈川区・鶴見区・磯子区・保土ヶ谷区の5区。その後、橘樹(たちばな)郡、久良岐(くらき)郡、都筑郡、鎌倉郡などの一部の編入・合併により昭和14年には港北区・戸塚区が加わり、「神奈川県仏教会横浜支部」として百ヶ寺ほどの寺院構成に拡大された。昭和16年には、新善光寺・福永隆賢師が会長に就任され、護国辻説法、花まつりなどの活動を精力的に展開した。昭和18年から、相次いで南区、西区、金沢区が分区し、区の仏教会活動も活性化された。
第二次世界大戦後の昭和21年に宗教法人法が改正され、昭和23年に「横浜市仏教連合会」として再発足の運びとなり、今日に至る。再発足の初代会長には新善光寺・福永隆賢師、2代目には大円寺・星野日亮師、3代目には光明寺・白幡静憲師、4代目には久成寺・佐藤宣朗師、5代目には玉泉寺・吉本道堅師、6代目には西有寺・横山競禅師、7代目には東光禅師・小沢省元師、8代目には金竜院・志村慎吾志、9代目には観音寺・柳下隆侃師が代々、歴任された。その間、昭和44年に瀬谷区仏教会、緑区仏教会が分離独立した。同じく分区された港南区、旭区は仏教会は分離せずそれぞれ南・港南区仏教会、保土ヶ谷・旭区仏教会とした。昭和63年には泉区仏教会と栄区仏教会がそれぞれ分離独立した。
平成2年4月28日に、横浜市仏教連合会再発足40周年並びに横浜市釈尊奉讃会創立10周年記念大会が、明倫高等学校大講堂において盛大に挙行された。
【以降のおもなあゆみ】
・H2.4.28 市仏連再発足40周年記念大会(明倫高等学校大講堂)
第10代 森山正城師会長期 (平成2・3年度)
・H2.5.26 -墓地問題研修(市衛生局の見解)
・H3.5.23 久保山斎場改築説明会
・H3.7.5 周年行事総括、決算報告
40周年記念大会は、第9代市仏連会長柳下隆侃師を実行委員長として400名もが参集し、盛大裏に円成した。記念講演の講師、落語家の三遊亭円楽師匠は『笑と人生』と題して、「仏教が培ってきた自己犠牲、利他の奉仕ほど尊いものはない」と述べられた。(くしくも20年後の記念大会を目前に、平成21年10月29日、76歳で亡くなられた。)
平成3年の総会で、市仏連会費が3千円に値上げされた。墓地問題、税務問題の学習が急務となった時期でもあった。第11代 滝川覚道師会長期 (平成4・5・6年度)
・H6.11.21 税務講習会開催
・H7.1.17 阪神大震災発生
・H7.2.11 第20回涅槃会は阪神大震災殉難者大法要と併せて挙行
・H7.3.20 地下鉄サリン事件勃発
阪神地区を襲った未曾有の大震災に直面し、我々は何を為すべきか。市仏連から50万円、涅槃会の会場での募金32,420円を神奈川新聞社福祉事業団に寄託送金。奉讃会から10万円を日本赤十字社に寄託。各区仏教会でも托鉢などの勧募が行われ、栄区仏教会は15年以上にわたって年に2回の義援金街頭托鉢が続けられている。第12代 横山敏明師会長期 (平成7・8年度)
・H8.10.12 日本宗教連盟が国税庁に意見書提出(県への収支報告書類との関連)
・H8.4.11-12 区仏役員交流会開催(箱根河鹿荘)
平成6年11月に港北区と緑区が再編され、都筑区・青葉区の誕生に伴い、区の仏教会の再編も検討され、平成8年度より都筑区仏教会が誕生した。同じく誕生した青葉区は、仏教会は分離せずに緑・青葉区仏教会とした。会員相互の連携強化に向けての交流会が有意義に実施された。
オウム真理教の事件などを受け宗教法人法が改正されることとなり、臓器移植法の改正など、新たな問題に即応する場として、税務委員会・墓地委員会を統合発展させる形で「時局対策委員会」が検討される。「改正宗教法人法の実施初年度(平成9年度)は、当会にとっても重要な節目の年になろう。地域社会ひいては世界の平和と人心の安寧に寄与し、おかげさまの世界具現に一同心をつくして参ります。」と、横山会長は会報の年頭所感で述べている。第13代 齊藤隆法師会長期 (平成9・10・11・12年度)
・H9.5.23 総会にて、時局対策委員会が正式発足。
・H9.10.17 臓器移植法が実施。
・H10年度 時局対策委員会は会員寺院に対して、葬儀アンケートを実施。
・H12年度 正しい葬儀のための檀信徒向けリーフレットを作成配布。
・H12.4.8 市仏連会報50号記念誌発行。
横浜市釈尊奉讃会の会費が2千円に改正された。齊藤会長は各区の花祭りに参列し、「檀信徒の熱心さに敬服する。各地区のささやかな営みが大きな輪になり、市仏全体につながる仏縁となることは嬉しい」と述べている。また、この頃、市仏連会報の充実を図り、話材紹介コーナーで、各宗の儀式配役、僧名の呼び名などを特集し、一部が月刊誌『寺門興隆』でも紹介された。
時局対策委員会が実施した葬儀アンケートからは、葬儀業者主導によるゆがんだ葬儀の実体が浮き彫りにされた。第14代 都築哲信師会長期 (平成13・14・15・16年度)
・H13.8.31 葬祭業界との第1回協議会(西有寺)。
・H14.9.30 市仏連ネットワーク構想の寺院向け説明会並びに新墓地条例説明会。
・H15.9.3 臨時総会で正しい仏教葬儀普及ネットワーク(市仏ネット)決定。
・H15.11.10 葬祭業界との第2回協議会(市仏ネット説明会)。
・H16.4.2 市仏ネット発会式(ホテル横浜ガーデン)。
・H16.10.23 中越大地震発生
この期、市仏ネットは最大の関心事となった。「~手と手をつなぐ寺院活動~」「~大衆に理解される寺院を目指して~」「~政治の道具とされかねない宗教の姿~」と会報で述べられた会長挨拶の副題が、世相を表す。都会地では3割以上が宗教を介さないで火葬されはじめ、「我々に課せられた大問題」とも警告された。
H16.12月、中越大地震義援金として20万円を新潟県仏教会宛に送金。第15代 川上敬吾師会長期 (平成17・18・19・20年度)
・H19.11.19-20 第40回全日本仏教徒会議神奈川大会開催。第三分科会「現代社会における仏教葬儀のあり方」で市仏ネットを紹介。
・H19年度 秋の仏跡参拝旅行を瀬戸内、四国方面で計画したが、全日仏行事のためとりやめ、次年度より一泊で実施することとした。
時局対策委員会の葬儀社への要望の取り組みにより、寺院に対する接し方が良い方向に変わりつつある。全日本仏教徒会議神奈川大会は、ダライラマ師を迎え盛大に開催されたが、第三分科会において当会の取り組みが全国の方々に紹介された。時局対策委員は適材者精鋭で構成されてきたが、各区からの参加を会長が呼びかけ、より連携を深めた活動が期待された。第16代 玄野孝善師会長期 (平成21・22年度~)
・平成21年度より 周年行事に向けての実行委員会を発足。
・H22.6.5 横浜市仏教連合会再発足60周年記念大会並びに横浜市釈尊奉讃会創立30周年記念大会(鶴見大学附属中学・高等学校記念講堂)
大きな節目の年を迎え、「人間は、どんなに立派でも一人の力では微々たるものだ。仏教会各宗派の僧侶が一丸となって協力し、難題を解決して行く以外ない。この混迷の世相を少しでも明るく住み良くするのには、仏教の教えが何より大切」と玄野会長は抱負を述べた。第17代 山本信行会長期
第18代 佐藤功岳会長期
「横浜市仏教会」に名称変更。第19代 善浪裕勝会長期